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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ゆうべ新宿でブンなぐられたんですッて。三十分ぐらいルミちゃんに泣き言いって、千円くれてッたんですって。そのお金で、目下、宴会中」
ルミ子は何も言わなかった。
放二は穂積の話を思いだして、意外であった。
「青木さんの顔の怪我はひどいようにきいたけど。話もよくできないぐらい」
「ええ。腐爛した水屍体のデスマスクに似ていたわ」
ルミ子は珍らしくもなさそうな顔だった。
「痛さをこらえれば、話すこともできるの。ポロポロ泣きながら。それを見せにきたんです。腐った顔と、泣きながらしぼりだす声とを、ね」
「そのくせ、私には見せないのよ。出て行け、なんて。キザなんだ、あのジジイ」
八重子は吐きすてるように、
「やること、なすこと、ニヤケているのよ。ツバひッかけてやりたいよ。だけど、ルミちゃんには、いいお客さ。腐った顔と泣き声みせて、千円くれて帰るんだもの。キザなジジイに好かれてみたいや」
ルミ子は水蜜の皮をむきながら放二にたずねた。
「大庭先生の姪ですッてね。その方、自殺じゃないんですか」
四
放二は捜査のあらましを女たちに語ってきかせた。
ルミ子はきき終って、
「キッピイさん、もちろん、みんな知ってるのね。