轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「さよなら」
と言いすてると、ふりむいて、去ってしまった。
そんな出来事が昨夜あった。しかし、それぐらいのことで今日もまだ腹を立てているとは思われない。一しょに熱海へ来る筈だったが、三時間待っても記代子がこない。急用ができたのだろうと放二は思った。そして、熱海駅ですれちがった時にも、何か都合があるのだろうと思い、汽車の時間があるので急いで行ってしまったのだろうと、なんのコダワリもなく考えていた。
二
「一しょに熱海へくるはずでしたけど、東京駅でお会いできなかったのです。ぼくが時刻をまちがえてお待ちしていたのでしょう。三時間待って、熱海へついたら、帰られる記代子さんとすれちがったのです」
こだわるイワレがあろうとは思われないから、放二は思った通りのことを言った。
しかし長平は意外に冷めたく、とりあわなかった。
「記代子は君に会いたくないと言っていたのだよ」
「ハア」
「君たち二人の私事に強いてふれたいとも思わないが、同じ社の仲間同士反目しても、つまらん話さ。とりわけぼくに親しい御両氏が睨み合ってたんじゃ、ぼくも助からんからな」
「ええ」
たかが放二をアパートまで送ってくれるというのを拒絶したぐらいのことで、記代子がそんなに腹を立てゝいるというのは意外である。