轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みおとされているきゅうしょ

見落されている急所

宮本 百合子

文学と生活との関係にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,006 字 · 10 页

青空文庫

そして、この世界の多数者をなしている男女の生活は自分の疲労の上に生きているという意味で「白道」の作者自身の境遇と少くとも同じ方向をもっている。生きるために働きながら、却ってその働きによって現実には死に追いやられようとする男女の苦痛と反抗が、詩となって迸り、小説となって湧き出す。それが、今日の社会の現実によって新たなものとされつつある新しい文学の社会的な基礎とその内容である。

「白道」の作者が、村の小地主である親から、文学勉強のための金は貰えぬため、先ず自活の道を講じたという、経済的な理由の上に立つ文学修業の第一頁が、云わず語らずのうちにこの一人の婦人作家の行く手を、新たな文学、徒食階級のものではない、勤労する大衆の文学、広汎な意味でのプロレタリア文学の領域の中に現実として決定しているわけではないのであろうか。

これらの事情を一婦人作家として誇るべき新たな時代性としてしっかり身につけることを知らないで今日まで経て来た作者藤木氏の文学修業には、恐るべき浪費があったように思われるのである。

いろいろの職業を経て今日はその学歴にもかかわらず家政婦の働きをも厭わずやっている作者は、そのような変転にもめげず自分が作家としての追求をつづけているという点からだけ、職業における自身の推移を眺めていられるのではなかろうか。