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どくしょへんれき

読書遍歴

三木 清

「文芸」1941(昭和16)年6月~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,120 字 · 72 页

青空文庫

両先生のお宅へはしばしば伺ったが、いつも親しくくつろいでいろいろ話していただくことができたのは私の学生生活における楽しい思い出である。

次にこのヒューマニズムは一層宗教的な形をとって現われた。西田天香氏の一灯園の運動とか倉田百三氏の文学がそれである。私もその影響を受けたが、私にとってはその影響は一時的であった。

第三の方向は白樺派で、武者小路実篤氏の新しい村の運動がある。私の友人でやはり京都の哲学科に来ていた一高出身の谷川徹三、日高第四郎、学習院出身で美学を専攻していた園池公功らは白樺派の人々に接近していたので、私も誘われて、新しい村の講演会を聴きに行ったこともある。武者小路氏の文学は以前から好きで読んでいた。有島武郎氏がホイットマンをしきりに言われていたのもその頃で、有島氏はその時分京都の同志社大学にときどき来て講義をされていた。谷川らに誘われて有島氏の宿を訪ねたこともある。私も一時は有島氏の熱心な読者であった。やはり一高から来ていた小田秀人も白樺派に傾倒していた。有島氏に接近していた人に、さらに一高から来て京都の経済科にいた八木沢善次があった。