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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页
数十年後の人々が、それを笑をふくんで読みかえす日のためにである。しかし私は、これが決して単なる屑法案であるとは思っていないのである。文化法案はそれがいかにささやかでも、生きた芽のようなエネルギーをもっているというのである。
零戦闘機のような技術的製作でも、四十年以上義務教育のある国家の文化雰囲気でないと製作できなかったそうである。突然満洲国へ工場をもっていってもやりにくいそうである。文化というものはそんなものである。数十年の空気が醸し出すものである。ソヴィエートに二十八万あるのに日本に三百しかない図書館を、一万七百に増すことを目標とするこの法案は、決して屁のような法案ではない。
村々に図書館が出来、円らな瞳をした少年達が、本を読む喜びを知ることは美しいことではないか。大塚金之助氏に或る雑誌記者が、「貴方がこれまで一番感動されたことは何ですか」とたずねたら、「小さい時、図書館へいって、分厚い本を館員から渡されたときの、深い感動ほど、私をゆすったものはこれまでない」といわれたそうである。私はこの話を美しい話だと思う。どの漁村にも図書館が出来て、その少年達がこの感動をもって本を受け取ることが出来た後の二十年後の日本は、何か変り、何か一歩を進めるにちがいないと私は信ずるのである。