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ちょうほうちゅうけいきょく
諜報中継局
海野 十三
「新青年」1944(昭和19)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,537 字 · 40 页
で、サイクロトロンの簡易化軽量化こそ、本件の重大問題である」
会衆は三たび唸った。
テイラー博士「しかし余はこの問題を見事解決したのである。余の研究室では、送信真空管乃至はオッシログラフ用ブラウン管ぐらいの、極めて軽便なる大きさの新サイクロトロン――名付けてテイクロトロンというものを作ることに成功した。偉力はジーイー研究所の最大なるものに比し、更に七十パーセント方強力である。僅かこればかりのテイクロトロンが……」
会衆の歎声が大きくなり、「テイクロトロン」「テイクロトロン」と声が高い。
テイラー博士「このテイクロトロン装置は、全重量が僅かに十五封度で、小脇に抱えて歩けるほどだ。従って従来のエンジンに代り飛行機に取付けると、飛行機の重量は少くとも三十パーセント軽くなる。しかもテイクロトロンを以てボロンの原子崩壊を適度に続行させ、それを以て飛行機を推進させると、航続距離は殆ど無限であり、飛行機上で年を重ねることも可能である。また速度においては、欲すれば現在の航空機速力の百数十倍にもあげることが出来るが、機体の冷却を適当にやらないと空中に於て流星の如く燃焼する虞れがある」