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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

トニーの旦那、いままた、大きくごっとんと、うごきましたよ。ああ気持がわるい。そのうちに、豆潜水艇が、道のうえに、ころがりおちてしまいますよ。もういちど、よくしらべてください」

「大丈夫だというのになあ」

トニーは、もういちど、綱のむすび目をよくしらべました。しかし、さっきと同じで、べつにとけた様子もありませんでした。

くらい海

そのうちに、トラックは、大きな川っぷちにつきました。

石垣の下に、だるま船が待っていました。

岸から板がわたしかけてありましたから、トラックのうえのにもつであるバスは、しずかに板のうえへおろされ、そしてだるま船の中につみこまれました。

「オーライ。さあ、早いところ、でかけよう」

トニーが手をあげると、だるま船は、すぐエンジンをかけました。

一同は、だるま船の中にのりうつりました。だるま船は波をけたてて、川下へくだっていきました。

くらい川の面には、このだるま船の行く手をさえぎるものもいません。

「しめた。水上警察も、こっちに気がつかないらしい。さあ、どんどんいそげ。本船じゃ、まっているだろうから」

だるま船は、川口を出て海に入ると、こんどはさらに速度をあげて、沖合へすすんでいきました。