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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
「でこぼこしているって。なるほど、それはそうだ。舵がついていたり、潜望鏡といって潜水艇の目の役をするものをとりつける台があったり、それから長い鎖のついたうきがとりつけてあったり、すこしはでこぼこしているよ。しかしとにかく、海軍の潜水艦にくらべると、たいへん小さい。豆潜水艇の中のひろさは、バスぐらいしかないから、ずいぶん小さいではないか。だから、豆のように小さい潜水艇、つまり豆潜水艇といっていいじゃないか」
「だって、青木さん。ぼくには、でこぼこしているところが、気になるんですよ。どう考えてみても、やっぱりジャガイモ艇だなあ」
「いや、豆潜水艇だよ」
豆がほんとうか、それともジャガイモがほんとうか。青木学士と春夫君のことばあらそいは、どこまでいっても、きりがつきません。
だから、そのきまりは、もっとあとにつけることにして、私はここで、二人とも、まだ気がついていない一大事について、皆さんにお話いたしましょう。
皆さん、ここは東京の山の手にある大きな洋館のなかです。
森にかこまれたこの洋館は、たいへんしずかです。
窓のそとは、まっくらな夜です。そして、ほうほうと、森の中からふくろうの鳴いているこえがきこえます。