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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

そしてやみの中にかくれると、どこともなくいってしまいました。

さあ、たいへんなことになりました。毒ガスにみまわれた青木学士と春夫少年は、どうなったでしょうか。そして、豆潜水艇は、どこへもっていかれたのでしょうか。

警戒の目

豆潜水艇をつんだトラックは、いま国道をどんどん西の方へ走っていきます。

国道には、お巡りさんが、交番の中から、じっと夜の番をしていました。

もし、国道をあやしいものがとおれば、「とまれ!」と命令して、しらべるつもりでありました。

お巡りさんの前を、豆潜水艇をのせたトラックは、すこしもとがめられないで、通りすぎていきました。

その次の交番でも、やはりおなじように、通りすぎました。

なにしろ、お巡りさんが見ても、憲兵さんが見ても、造船学の大家が見ても、まさかトラックのうえに豆潜水艇がのっていると、気がつくわけがありません。

それもそのはずです。そのトラックの上にあるのは、どう見てもバスとしか見えません。まさかその下に、豆潜水艇がかくれていようなどとは、神さまだって気がつかないでしょう。

トラックは、どんどん国道を西に走りつづけます。