轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まずしきひとびとのむれ

貧しき人々の群

宮本 百合子

「中央公論」1916(大正5)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,959 字 · 118 页

青空文庫

そうすると、意外にもその問題の俵などは初めから根もないことで、ただ謝罪金(あやまりきん)に今新さんの持っている金を、皆取りあげようとする方便に捏造(ねつぞう)されたものだという噂が、次第に事実として騒ぎ出されたのである。

新さんは、飛んでもないことだと思って、おふくろを弁護し、その噂を押し消そう押し消そうと掛った。

けれども、新さんの心はだんだん暗くなって来た。自分の身が悲しく、ほんとにこのおふくろの実の子かしらんという疑いも起って来たのである。

私は青い陰気な顔をした新さんが、心配でよけい面窶(おもやつ)れしたような風で暑い日中被る物もなしに、村道をボコボコ歩いているのを見ると、ほんとうに気の毒になった。

けれども、二十三にもなった男一人が、物の道理も分らないおふくろの自由にされて、苛(いじ)められても恥かしめられても、ただ一言云い争いもせず、ただ彼女の弁護ばかりしているのを見ると、妙な心持にならずにいられなかった。

何だか、どこかに私共より偉いところを持っているような気がして、どんなに気の毒だと思っても、他の人々へのように、僅かばかり食物をやったりすることは出来ない。