轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あかいへや
赤い部屋
江戸川 乱歩
「新青年」博文館、1925(大正14)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,114 字 · 36 页
こうして置けば、下手人の給仕女は少しも罰せられる心配はない。そこには私達六人もの証人があるのだ、つまり、Tは彼が他人に対してやったと同じ方法を、加害者は少しも罪にならぬ方法を、彼自身に応用したものではないか」
私の外の人達も、皆夫々の感慨に耽っている様に見えた。そして、それは恐らく私のものと同じだったかも知れない。実際、この場合、そうとより他には考え方がないのだから。
恐ろしい沈黙が一座を支配していた。そこには、うっぷした給仕女の、さも悲しげにすすり泣く声が、しめやかに聞えているばかりだった。「赤い部屋」の蝋燭の光に照らし出された、この一場の悲劇の場面は、この世の出来事としては余りにも夢幻的に見えた。
「ククククク……」
突如、女のすすり泣の外に、もう一つの異様な声が聞えて来た。それは、最早や藻掻くことを止めて、ぐったりと死人の様に横わっていた、T氏の口から洩れるらしく感じられた。氷の様な戦慄が私の背中を這い上った。
「クックックックッ……」
その声は見る見る大きくなって行った。そして、ハッと思う間に、瀕死のT氏の身体がヒョロヒョロと立上った。立上ってもまだ「クックックックッ」