轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あかいらくだ

赤い駱駝

梅崎 春生

「世界」1948(昭和23)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,820 字 · 24 页

青空文庫

二見は兵隊のままで残ってりゃよかったんだ。兵隊なら命令のままで動くだけで、そりゃ身体はきついだろうが、気持の責任というのはすくないだろう。ヘマをすればすぐなぐられるだけで、それで済むんだ。士官となれば、そうゆかないからな。名誉ある帝国海軍の士官というわけで、うっかりヘマをやろうもんなら、手あらくうるさいのだ。ほんとに海軍というところは、一見豁達に見えて、おそろしくうるさ型の多いところだった。神経を氷のように張りつめて、二見はその中で生きてきたんだ。それはたいへんな努力だっただろうと思う。

二見の体格は、とくに貧弱というのではなかったが、なにか不具めいた印象をあたえた。どこか均勢がとれていないのだ。手足がすこし長い感じで、それで関節がすぽっと抜けたような印象だ。女のような撫で肩で、それをおぎなうように薄い胸をぐっと反らしている。おれは思うのだが、二見は地方にいたときはきっと猫背だったに違いない。どこにつとめていたのか知らないが、軍隊に入って以来、軍人らしくないとか、勇往邁進の気に欠けとるとか、文句をさんざん言われた揚句、無理してあんなに胸を反らすようになったのだろう。