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ろじょう

路上

芥川 竜之介

午炮响后,图书馆陷入诡异的寂静,大学生俊助埋头书海,时间随着指针流逝,但这份平静下似乎藏着什么在悄悄酝酿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 页

青空文庫

が、辰子は静に頷いただけで、口へ出しては、何とも答えなかった。

「どうです。中へはいって見ますか。」

新田は嘲るような微笑を浮べて、三人の顔を見廻した。

「僕は真っ平だ。」

「私も、もう沢山。」

辰子はこう云って、今更のようにかすかな吐息を洩らした。

「あなたは?」

初子は生々した血の気を頬に漲らせて、媚びるようにじっと新田の顔を見た。

「私は見せて頂きますわ。」

二十八

俊助と辰子とは、さっきの応接室へ引き返した。引き返して見ると、以前はささなかった日の光が、斜に窓硝子を射透して、ピアノの脚に落ちていた。それからその日の光に蒸されたせいか、壺にさした薔薇の花も、前よりは一層重苦しく、甘いいを放っていた。最後にあの令嬢の弾くオルガンが、まるでこの癲狂院の建物のつく吐息のように、時々廊下の向うから聞えて来た。

「あの御嬢さんは、まだ弾いていらっしゃるのね。」

辰子はピアノの前に立ったまま、うっとりと眼を遠い所へ漂わせた。俊助は煙草へ火をつけながら、ピアノと向い合った長椅子へ、ぐったりと疲れた腰を下して、

「失恋したくらいで、気が違うものかな。」と、独り語のように呟いた。