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ぐんぷくをきたひゃくしょうげんぞうのじょたい

軍服を着た百姓源造の除隊

今野 大力

「プロレタリア 創刊号」1930(昭和5)年十二月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,018 字 · 3 页

青空文庫

たとえ豊年万作だとて

俺等の楽する秋があったか?

どこのどいつが何するために

俺等の米は奪り上げる!

源造よ

お前は村へ帰った兵隊さんだ

お前はその訳知ってべよ

俺あ営舎じゃガン張ったよ

俺あ三十九度の熱が出て

どうにもこうにもなんねい位

そんでも俺あ将校奴の長靴を磨かされた

びしょ雨の中に空ッ腹を抱えて

真夜中の強行軍だ

何でこんなに戦争がやりたいのか?

誰と誰との戦争がほんとに必要なのか?

誰も彼も、最初は知らずにいる

――知れたらこれこそ大変だ!

そいつをカンゴクの兄貴は知ってたんだ

今は俺あも知ってる、あいつも知ってる

兄貴の知ってるロシアの話。

俺あ今こそそいつがのみこめる

不景気だ

どん底へ落ちて行く百姓、それからプロレタリア――街の労働者達

源造よ

部落じゃ、ネング、税金、借金まけろ!

月給泥棒の俸給を下げろ

支払延期、減免だ

小学児童の同盟休校だ

地鳴りのように反抗の叫びがもり上ってる

それでも十二月の年のくれの

雪に埋もれた淋しい百姓の生活が

どこまでも追われて行くんだ

俺等の部落はお前の除隊を待ってた

源造よ

お前はこれからしっかり

奮張ってけれ!

奴等がどないにしようとも

お前は俺等の戦争に加わるんだ!