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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
そしてこういう物質のより一般的な又より抽象的な関係を取り上げることが、他ならぬ数学なるものの所謂先天性だったのである。(但しこの点多くの異論を期待しなくてはならぬが。)だからつまり物理学乃至力学が数学の適用を受けねばならぬということは、物理学が物質の最も一般的で又最も抽象的な関係から問題を提起して、之を次第により特殊なより具体的な物質の属性に及ぼすものだということであり、それを末端の方から見れば化学となるというわけである。
だが云うまでもなく一般的、抽象的な物質の属性から問題を発足させることは、その発足をいつもやり直さなければならぬということを約束する。より特殊なより具体的な物質の属性にわけ入って行った結果、もう一遍物質の一般的、抽象的な属性を抽象し直さねばならぬということが必ず出て来る。この現象は物理学の革命とか危機とかとして云い表わされる。相対性理論による空間・時間の観念の変革や、量子理論による因果律の観念の変革やが之である。
物理学乃至力学が最も精密な自然科学だというのは以上の消息を指すのであるが、化学となればもはやこの精密性は信用されていない。