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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
と並んで、その裹を検討するために、表面に出て来る必要があったのである。――この現象は、カントの先験的論理学に於ける根本的な不整頓を意味するわけで、先験論理学が形式論理学の欠陥をこういう形で云い表わすという点を、無意識ながら判然とさせたのは、カントの卓越した見識に数えていい。
処でカントのこの云わば消極的な弁証法を積極的なものと考え直したものが、取りも直さずヘーゲルである。ヘーゲルによれば、弁証法は決して単に論理が矛盾に陥ることを憂慮する処の論理ではない。形式論理学の矛盾律に従えば、論理は常に一切の矛盾から超越していなければならないわけだが、それは論理を全く形式的に無内容に考えるからで、実際の事物に相応するような内容を持った論理を考えれば、事物が運動し変化し生成消滅する通り、その論理的把握としての概念は、決して同一の内容に止まることは出来ない。従って同一律は無条件には通用しないから、従って又矛盾律もそこでは無条件には適用されなくなる。寧ろ矛盾することこそ、現実性を持った理論の本性なのであって、この矛盾を止揚するために動き出すことによって、初めて論理は活きて働くのである。