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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
だがマルクスがここで同時に意味する所は、一方に於てこの虚偽意識が主として社会の問題に関する社会意識であると共に、他方に於て一定の社会的原因によって発生した社会意識のタイプだということを暗黙の間に想定している点にある。
こうした虚偽な社会意識の類型の常として、この意識は一方に於てその誤謬を自覚し得ないと同時に、他方に於てその誤謬を自覚することを決して欲しない。だからこれは単なる誤謬ではなくて正に虚偽であり、而もただの嘘とは異って一人又は数人の個人が故意に偽った結果であるとは限らないので、却って社会の多数者によって支持される結果それが嘘であることを自覚し得ないような虚偽である場合が極めて多い。主に社会に関する虚偽なのだから、社会に於ける政治的関心によって動機づけられがちであるため、群集心理や社会に於ける支配権威に動かされる場合が甚だ多く、純論理的・科学的・理論的・理性的であるよりも先に、先論理的・情意的であることをその特色とする。
(三)右のような虚偽意識としてのイデオロギーの他に、マルクスはもう一つの規定を与えている。『経済学批判』の序論に於ける唯物史観の公式の条に見られる社会の上部構造としてのイデオロギーの観念がそれである。