轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

のうそん

農村

宮本 百合子

「多喜二と百合子 七号~十三号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年12月~1955(昭和30)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,223 字 · 97 页

青空文庫

何も、地主だから罪人だとか何とか云うのではないけれど、其の日は甚助の家の子供を見て来たので訳もなくいやな気持がしたのである。

菊太の家の子供達も、あんなにして暮して居るのだろう。

私達が行ったらどんな顔をするだろう。

斯うした、貧しい、この頃の様に不作つづきの年では余計地主と小作人の感情の行き違いが多いのである。

私はだまって菊太の話を聞こうとした。

菊太は何でもない様なポカンとした顔をしてボソボソと低い声ではなす。

「御隠居様、

今年も亦思う通り実りがありませんない。

斯うして話は始まりいつはてしがつくかと思うほど長く長くつづくのである。

菊太の出来るだけの弁舌を振って、彼方此方、実入の悪かった田の例をあげる。

処は何処で、何と云う名の小作人の田では去年の三ケ一ほか上らなかったとか、誰それの稲は無駄花ばっかりでねたのは少しほかなかったとか、そう云う事をあきるほど云いつくしてから、

「けど、己の田はいい方なんだっし、

御年貢だけはありやすかんない。

と云うのである。

それを云うまでにも口がよくもとらないのでどもったり、「ウウーウ」と云ったりする間と、茶を飲み、煙草を吸う時間が加わるので、それだけでもう、大抵の人間は聞き疲れて仕舞う。