轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のうそん
農村
宮本 百合子
「多喜二と百合子 七号~十三号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年12月~1955(昭和30)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,223 字 · 97 页
祖母が涙声で云った時、私は、急に母の居る処へ飛んで帰りたいほどの、どうしていいか分らない、悲しい様な淋しい様な気持になった。私は「何故こんな処へ来たのか」と悔む様な気持になりながら涙をこぼして眠ってしまった。目を覚した時は二時頃だったろう。
あんまり風がはげしい。雨や風のひどい時は、恐ろしい様な気持がして眠られない私はきっと、この風の音に眼をさまされたのだろう。障子のガラスについた小障子をあけて雨戸のガラスをすかして見ると、灰を吹きつける様に白い粉が吹きつけると一緒に、ガタンガタンと戸がゆすれる。こんなにもひどい吹雪を見た事はなかった。始めの間は珍らしい気がして見て居たけれ共、段々時が立つにしたがって私は恐ろしくなって来た。私は此上なくいやなのだけれ共、祖母がきかないので、部屋の中は真暗である。二つの床をぴったりとよせて枕屏風が暗い中でも何か違った暗さに私達を取りかこんで居る。
一尺一寸位の四角な面に絶えず白い粉が乱れかかって、戸は今にもたおれそうにガタガタきしんで、はめ込んだガラスの一種異ったビリビリ云う音が寝しずまった家中に響きわたる。下らないものでも見つめて居ると恐ろしくなるか又は嬉しくなるものだと私はいつでも感じて居る。