轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいほしゅぎしゃ
退歩主義者
「月刊読売 夏期臨時増刊号」1949(昭和24)年7月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,703 字 · 20 页
誰だって、知らないウチへ泥棒に忍びこむのは、気心が知れなくッて、第一勝手が分らなくって、薄気味が悪いじゃないか。そこんとこを察してくれなくちゃアいけないよ。手荒なことや、ムリなことは、したかないよ」
「いゝ加減にしやがれ」
パンパンと威勢よく張りつけた。これも芝居にある型である。然し、馬吉はパンパンと張り手をくらッて、気がついた。
「アッ、そうだ。オレは退職手当を貰わなきゃ、いけないよ。誰だって、クビをきられる時は、退職手当というものがあらアな。きまってるよ。エッヘッヘ。よせよ。ごまかしちゃア、いけないよ」
「バカも休み休みいいやがれ。退職手当というものはレッキとした正社員の貰うことだ。テメエなんざ、臨時雇いか見習いみたいなもんじゃないか。それに、千円の前借りがあるじゃないか。それを見逃してやるだけでも、有り難いと思いやがれ」
また、パンパンとくらわす。一平も次第に本気に怒ってきた。馬吉は蒼ざめてギラギラした笑いを浮かべたが、それが、だんだん歪んできた。
「チェッ。だましちゃ、いけないよ。オレだって、今は真剣なんだからな。さっきまで、そこんとこへ気がつかなかったんだ。