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とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

といって「それから、食うに困っているんだろう」ときいた。

青二は、やっぱりうなずくしかなかった。

「よおし、心配するな。おれについて来い。お前ひとりぐらいは、たらふく食わせてやる。さあ行こう」

どうしてその青年が、青二にそう親切なのか分らなかった。しかし今はその青年に力を借りるよりほか道がないことが、青二に分っていた。そこで青二は、この青年に、重大な秘密をあかすことにした。

ただし青二は、自分のことは、さすがにいいだすことが出来なかった。猫のことだけを話したのである。

すると青年六さんは、目をかがやかして喜んだ。

「え、そいつは、すばらしいじゃないか。たいへんな金もうけがころがりこんだものだ。いや……お前、これは大もうけになるぜ。おれに万事をまかせなよ。そして利益は五分五分に分けよう」

六さんはすっかり乗り気になった。

「ところでちょっと、その本尊さまというのを見せてくれよ」

そこで青二は、猫のはいっているふろしきを、六さんにさわらせた。

「なるほど、たしかにこの中に、猫みたいなものがはいっているぞ」

「そこで、ふろしきの中をのぞいてごらん」

青二は、ふろしきのはしをすこしあけて、六さんに中をのぞかせた。