轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうけやく

道化役

豊島 与志雄

「中央公論」1934(昭和9)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,093 字 · 42 页

青空文庫

君の暮し方は、笊に水をつぎこむようなものだ。もし君がその笊に目張りをして水がもらないようになったら、その時は僕も相談にのってやろう。君のお母さんも君のそういう性質を心配しておられた。よく考えて覚悟してみ給え。」

私はもう覚悟を、別種の覚悟をしていたので、彼の前から黙って辞し去った。その頃私は実際ひどく若しかった。どうしても払わねばならぬ義理の悪い借金があったし、金貸への利息払いに追われていたし、その上、古賀に無理に頼まれて連帯保証に立ってた借金を、田舎の土地を売って来るからといって出発した古賀からいつまでも便りがないので、全部私が負担しなければならないような破目に陥っていた。私はそういう一切のことを信用金融制度の穽だと考えた。利用したのはこちらが悪いが、穽に陥るまで利用さしたのは向うが悪い、と考えた。そしてもし全体の整理が出来たら、私は一人身だから、少しずつ払っていける確信はあった。だがその整理も出来ないような面倒くさい世の中なら、御免を蒙っていいと思っていた。笊から水がもらないようにするには、目張りをするのが先ず必要だった。そして私が知ったことは、目張りをすることが最も必要な時に、目張りをすることが最も困難だということである。