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とかいのなかのことう
都会の中の孤島
「小説新潮 第七巻第四号」1953(昭和28)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,205 字 · 27 页
私は危いと思ったから、そッと梯子をひいて、屋根裏へ上れないようにしておいたの。案の定ね。中井は下の夫婦を殺してお金を盗んだのよ」
「警察へ云わないのか」
「だってさ、中井が口止めしたからさ。私だって、散々中井にしてやるだけのことはしてやったんだし、今じゃア、好きでもなんでもないんですものね。かばってやる必要ないけど、ねえ、あんた。犯人なんて、誰だっていいじゃないの」
「だって、死刑じゃないか」
「殺された人だっているんだから、誰かが死刑になったって、仕様がないわよ」
「チエッ! ウソついてやがるな。てめえ、共犯だろう」
「人ぎきがわるいわね」
「なに云ってやんだい。じゃア、グズ弁のスパナーが、どうして中井の手に握られてしまったんだ。え? オイ、おかしいじゃないか。誰かが手渡してやらなきゃ、そんなことにはなりッこないぜ、な」
「それは、こうよ。グズ弁が酔っ払ってグデングデンになってスパナーをとりだして弄んでたから、私がとりあげてお店のテーブルの下へおいといたのさ。そんなこと、忘れてたのよ。まさか中井がきて、それを握って人殺しをするとは思わないわよ」
「中井は、どうしてる」