轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じゅうびょうしつにっし
重病室日誌
北条 民雄
「文學界」1937(昭和12)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,745 字 · 14 页
と笑ひもしない。「首でも縊るのさ」と突つぱねて自分は寝返りをうつた。話をする気にもならないのだ。
×月×日。
不意に横で女の子の声がするので、寝たまま首をねぢ向けて見ると、例の「癩院記録」の中に書いて置いたハルちやんである。
「をぢちやん、どうしたの?」
「うん、神経痛だよ。」
林檎を取り出して附添夫にむかせ、彼女にやると、小さな口で齧りながら出て行つた。
×月×日。
昨夜午前まで眠れなかつたので今朝はすつかり寝過してしまひ、朝食を食ひはぐれてしまつた。
昨日からラヂオが取りつけられたので終日うるさくてならぬ。ラヂオの愚劣さは既に定評あるところであるが、何よりもその音が堪らぬ。朝から晩までガンガンと頭を撲られ通してゐるやうなもので、本を読むことも物を考へることも出来ない。発狂しなかつたのを寧ろ幸ひとすべきか。
夜、ラヂオが終つてほつとしてゐると、急に自分から三つばかり左の寝台にゐるノドキリ氏が苦しみ始める。カニューレの下に何か引つかかつたとみえる。呼吸困難である。繃帯に包まれた両手を宙にぶらさげて、さかんに息を吹き出さうと努力するのであるが、引つかかつたものが邪魔になつて思ふやうに息が出ないのである。