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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

博士は、蜂矢探偵を前にして、いったい何をする気であろうか。

奇蹟見物

「さあ、よく見るがいい。今、金属Qを、この頭の中から取りだすからね」

博士は、とくいのようすだ。

それにひきかえ、蜂矢探偵はまっさおになり、失心の一歩手前でこらえていた。もしもかれが、金属人間事件の責任ある探偵でなかったら、もっと前に目を白くして、ひっくりかえっていただろう。

それから先、博士がしたことを、ここにくわしく書くのはひかえようと思う。くわしく書けば読者の中に、ひっくりかえる人が出るかもしれないからだ。それだから、かんたんに書く。――博士は、両手をじぶんの頭にかけると、帽子をぬぐような手軽さで、頭蓋骨をひらき、中から透明な針金細工のようなものを取りだし、それを手のひらにのせて、蜂矢探偵の目のまえへさしだした。

「うーむ」

と、探偵は歯をくいしばって、博士の手のひらにのっている奇妙な幾何模型みたいなものを見すえた。

あの爆発のおこる前「骸骨の四」だけが箱の中になかった。それで博士があわてだした。そのことを、いま蜂矢探偵は思いだした。

博士はだまっている。気味のわるいほどだまっている。