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ぎんのつえ
銀のつえ
小川 未明
「童話」1924(大正13)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,721 字 · 8 页
けれど、空想したことはあったはずだ。おまえは私をなんと思うのだ。」と、おじいさんは、重々しい口調でいいました。
彼は、答えることを知らずに、うなだれていました。
「おまえは、私が思うようにしなければならないだろう……。おまえは、まだ年が若いのに、遊ぶことしか考えていない。そして、いくら、いましめるものがあっても、おまえは、それに対して耳をかさなかった。」と、おじいさんは、いいました。
彼は、力なくうなだれていたのです。
「おまえの命を取ってしまっては役にたたない。いま、ほんとうに殺すのではない。一時、おまえを眠らせるまでだ。なんでもおまえは、私のいうことに従わなければならない。おまえは、私が起こすときまで、墓の中にはいって眠れ……。」と、おじいさんはいって、光ったつえで地面を強くたたきました。彼は、そのまま道の上に倒れてしまったのです。
おじいさんの姿は、まもなく、どこかに消えてしまいました。そして、道の上に、男は、倒れていました。
彼の兄や、妹や、また、カフェーのおかみさんたちは、みんな年若くして死んだ、彼をかわいそうに思いました。彼の体を黒い箱の中に入れて、墓地へはこんで葬ったのであります。