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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

よくって」と説明した。その時また別の声で、

「おかしいわね。ママだって」と云って嬉しそうに笑ったものがあった。

「私それでもいつも御祖母さまなのよ。御祖母さまの西洋の名がなくっちゃいけないわねえ。御祖母さまは何て云うの」と聞いたものもあった。

「御祖母さまはやっぱりババでいいでしょう」と姉がまた説明した。

それから当分の間は、御免下さいましだの、どちらからいらっしゃいましたのと盛に挨拶の言葉が交換されていた。その間にはちりんちりんと云う電話の仮色も交った。すべてが宗助には陽気で珍らしく聞えた。

そこへ奥の方から足音がして、主人がこっちへ出て来たらしかったが、次の間へ入るや否や、

「さあ、御前達はここで騒ぐんじゃない。あっちへ行っておいで。御客さまだから」と制した。その時、誰だかすぐに、

「厭だよ。御父っちゃんべい。大きい御馬買ってくれなくっちゃ、あっちへ行かないよ」と答えた。声は小さい男の子の声であった。年が行かないためか、舌がよく回らないので、抗弁のしようがいかにも億劫で手間がかかった。宗助はそこを特に面白く思った。

主人が席に着いて、長い間待たした失礼を詫びている間に、子供は遠くへ行ってしまった。