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もん
門
宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页
宗教と関聯して宗助は坐禅という記憶を呼び起した。昔し京都にいた時分彼の級友に相国寺へ行って坐禅をするものがあった。当時彼はその迂濶を笑っていた。「今の世に……」と思っていた。その級友の動作が別に自分と違ったところもないようなのを見て、彼はますます馬鹿馬鹿しい気を起した。
彼は今更ながら彼の級友が、彼の侮蔑に値する以上のある動機から、貴重な時間を惜しまずに、相国寺へ行ったのではなかろうかと考え出して、自分の軽薄を深く恥じた。もし昔から世俗で云う通り安心とか立命とかいう境地に、坐禅の力で達する事ができるならば、十日や二十日役所を休んでも構わないからやって見たいと思った。けれども彼はこの道にかけては全くの門外漢であった。したがって、これより以上明瞭な考も浮ばなかった。
ようやく家へ辿り着いた時、彼は例のような御米と、例のような小六と、それから例のような茶の間と座敷と洋灯と箪笥を見て、自分だけが例にない状態の下に、この四五時間を暮していたのだという自覚を深くした。火鉢には小さな鍋が掛けてあって、その葢の隙間から湯気が立っていた。火鉢の傍には彼の常に坐る所に、いつもの座蒲団を敷いて、その前にちゃんと膳立がしてあった。