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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

昼のうちはさまでとは思わなかった室が、日が落ちてから急に寒くなった。彼は坐りながら、背中のぞくぞくするほど温度の低い空気に堪えなかった。

彼は考えた。けれども考える方向も、考える問題の実質も、ほとんど捕まえようのない空漠なものであった。彼は考えながら、自分は非常に迂濶な真似をしているのではなかろうかと疑った。火事見舞に行く間際に、細かい地図を出して、仔細に町名や番地を調べているよりも、ずっと飛び離れた見当違の所作を演じているごとく感じた。

彼の頭の中をいろいろなものが流れた。そのあるものは明らかに眼に見えた。あるものは混沌として雲のごとくに動いた。どこから来てどこへ行くとも分らなかった。ただ先のものが消える、すぐ後から次のものが現われた。そうして仕切りなしにそれからそれへと続いた。頭の往来を通るものは、無限で無数で無尽蔵で、けっして宗助の命令によって、留まる事も休む事もなかった。断ち切ろうと思えば思うほど、滾々として湧いて出た。

宗助は怖くなって、急に日常の我を呼び起して、室の中を眺めた。室は微かな灯で薄暗く照らされていた。灰の中に立てた線香は、まだ半分ほどしか燃えていなかった。