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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

いよいよ苦しくなった時、

「御米、久しく放っておいたが、また東京へ掛合ってみようかな」と云い出した。御米は無論逆いはしなかった。ただ下を向いて、

「駄目よ。だって、叔父さんに全く信用がないんですもの」と心細そうに答えた。

「向うじゃこっちに信用がないかも知れないが、こっちじゃまた向うに信用がないんだ」と宗助は威張って云い出したが、御米の俯目になっている様子を見ると、急に勇気が挫ける風に見えた。こんな問答を最初は月に一二返ぐらい繰り返していたが、後には二月に一返になり、三月に一返になり、とうとう、

「好いや、小六さえどうかしてくれれば。あとの事はいずれ東京へ出たら、逢った上で話をつけらあ。ねえ御米、そうすると、しようじゃないか」と云い出した。

「それで、好ござんすとも」と御米は答えた。

宗助は佐伯の事をそれなり放ってしまった。単なる無心は、自分の過去に対しても、叔父に向って云い出せるものでないと、宗助は考えていた。したがってその方の談判は、始めからいまだかつて筆にした事がなかった。小六からは時々手紙が来たが、極めて短かい形式的のものが多かった。宗助は父の死んだ時、東京で逢った小六を覚えているだけだから、いまだに小六を他愛ない小供ぐらいに想像するので、自分の代理に叔父と交渉させようなどと云う気は無論起らなかった。