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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

父は正月になると、きっとこの屏風を薄暗い蔵の中から出して、玄関の仕切りに立てて、その前へ紫檀の角な名刺入を置いて、年賀を受けたものである。その時はめでたいからと云うので、客間の床には必ず虎の双幅を懸けた。これは岸駒じゃない岸岱だと父が宗助に云って聞かせた事があるのを、宗助はいまだに記憶していた。この虎の画には墨が着いていた。虎が舌を出して谷の水を呑んでいる鼻柱が少し汚されたのを、父は苛く気にして、宗助を見るたびに、御前ここへ墨を塗った事を覚えているか、これは御前の小さい時分の悪戯だぞと云って、おかしいような恨めしいような一種の表情をした。

宗助は屏風の前に畏まって、自分が東京にいた昔の事を考えながら、

「叔母さん、じゃこの屏風はちょうだいして行きましょう」と云った。

「ああああ、御持ちなさいとも。何なら使に持たせて上げましょう」と叔母は好意から申し添えた。

宗助は然るべく叔母に頼んで、その日はそれで切り上げて帰った。晩食の後御米といっしょにまた縁側へ出て、暗い所で白地の浴衣を並べて、涼みながら、画の話をした。

「安さんには、御逢いなさらなかったの」と御米が聞いた。