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もん
門
宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页
帰りがけに玄関脇の薬局で、粉薬のまま含嗽剤を受取って、それを百倍の微温湯に溶解して、一日十数回使用すべき注意を受けた時、宗助は会計の請求した治療代の案外廉なのを喜んだ。これならば向うで云う通り四五回通ったところが、さして困難でもないと思って、靴を穿こうとすると、今度は靴の底がいつの間にか破れている事に気がついた。
宅へ着いた時は一足違で叔母がもう帰ったあとであった。宗助は、
「おお、そうだったか」と云いながら、はなはだ面倒そうに洋服を脱ぎ更えて、いつもの通り火鉢の前に坐った。御米は襯衣や洋袴や靴足袋を一抱にして六畳へ這入った。宗助はぼんやりして、煙草を吹かし始めたが、向うの部屋で、刷毛を掛ける音がし出した時、
「御米、佐伯の叔母さんは何とか云って来たのかい」と聞いた。
歯痛が自から治まったので、秋に襲われるような寒い気分は、少し軽くなったけれども、やがて御米が隠袋から取り出して来た粉薬を、温ま湯に溶いて貰って、しきりに含嗽を始めた。その時彼は縁側へ立ったまま、
「どうも日が短かくなったなあ」と云った。
やがて日が暮れた。昼間からあまり車の音を聞かない町内は、宵の口から寂としていた。