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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

話を聞いたとき彼はむしろ御米の機敏な才覚に驚ろかされた。同時にはたしてそれだけの必要があるかを疑った。御米の思わくを聞いて見ると、ここで十円足らずの金が入れば、宗助の穿く新らしい靴を誂らえた上、銘仙の一反ぐらいは買えると云うのである。宗助はそれもそうだと思った。けれども親から伝わった抱一の屏風を一方に置いて、片方に新らしい靴及び新らしい銘仙を並べて考えて見ると、この二つを交換する事がいかにも突飛でかつ滑稽であった。

「売るなら売っていいがね。どうせ家に在ったって邪魔になるばかりだから。けれどもおれはまだ靴は買わないでも済むよ。この間中みたように、降り続けに降られると困るが、もう天気も好くなったから」

「だってまた降ると困るわ」

宗助は御米に対して永久に天気を保証する訳にも行かなかった。御米も降らない前に是非屏風を売れとも云いかねた。二人は顔を見合して笑っていた。やがて、

「安過ぎるでしょうか」と御米が聞いた。

「そうさな」と宗助が答えた。

彼は安いと云われれば、安いような気がした。もし買手があれば、買手の出すだけの金はいくらでも取りたかった。彼は新聞で、近来古書画の入札が非常に高価になった事を見たような心持がした。