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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

けれども、元の通り深い眠から来る呼吸を続けていた。御米はまた立ち上って、洋灯を手にしたまま、間の襖を開けて茶の間へ出た。暗い部屋が茫漠手元の灯に照らされた時、御米は鈍く光る箪笥の環を認めた。それを通り過ぎると黒く燻ぶった台所に、腰障子の紙だけが白く見えた。御米は火の気のない真中に、しばらく佇ずんでいたが、やがて右手に当る下女部屋の戸を、音のしないようにそっと引いて、中へ洋灯の灯を翳した。下女は縞も色も判然映らない夜具の中に、土竜のごとく塊まって寝ていた。今度は左側の六畳を覗いた。がらんとして淋しい中に、例の鏡台が置いてあって、鏡の表が夜中だけに凄く眼に応えた。

御米は家中を一回回った後、すべてに異状のない事を確かめた上、また床の中へ戻った。そうしてようやく眼を眠った。今度は好い具合に、眼蓋のあたりに気を遣わないで済むように覚えて、しばらくするうちに、うとうととした。

するとまたふと眼が開いた。何だかずしんと枕元で響いたような心持がする。耳を枕から離して考えると、それはある大きな重いものが、裏の崖から自分達の寝ている座敷の縁の外へ転がり落ちたとしか思われなかった。