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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

そうこうしていると、どこかで鶏の声が聞えた。またしばらくすると、下駄の音を高く立てて往来を通るものがあった。そのうち清が下女部屋の戸を開けて厠へ起きた模様だったが、やがて茶の間へ来て時計を見ているらしかった。この時床の間に置いた洋灯の油が減って、短かい心に届かなくなったので、御米の寝ている所は真暗になっていた。そこへ清の手にした灯火の影が、襖の間から射し込んだ。

「清かい」と御米が声を掛けた。

清はそれからすぐ起きた。三十分ほど経って御米も起きた。また三十分ほど経って宗助もついに起きた。平常は好い時分に御米がやって来て、

「もう起きてもよくってよ」と云うのが例であった。日曜とたまの旗日には、それが、

「さあもう起きてちょうだい」に変るだけであった。しかし今日は昨夕の事が何となく気にかかるので、御米の迎に来ないうち宗助は床を離れた。そうして直崖下の雨戸を繰った。

下から覗くと、寒い竹が朝の空気に鎖されてじっとしている後から、霜を破る日の色が射して、幾分か頂を染めていた。その二尺ほど下の勾配の一番急な所に生えている枯草が、妙に摺り剥けて、赤土の肌を生々しく露出した様子に、宗助はちょっと驚ろかされた。