轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

」

ぷんとして浜子は引きさがった。それを追っかけて安江は、

「なんですか浜ちゃん。ぷんとするのだけ一人前なの。まねでもいいからすみませんぐらいおっしゃい。」

大きな声を出したとたんに、ガガーとブザーが鳴りひびいた。安江ははっとして、思わず居ずまいを直した。そしてふっとおかしくなった。きょうは大声を出すたびにブザーが鳴ると思ったからだ。それにしても、このブザーは心臓にこたえる。チリチリリンにとりかえねばと思いながら玄関に耳をすますと、

「ただいまア。」

という夏樹につづいて、兵六さんのさびた声で、

「上等の花がありましてな。柳も一しょにこうて来ましたわ。」

おどろいている安江の前へ、おもちゃを買ってもらって得意顔の夏樹につづいて、桃と柳を胸にかかえた兵六さんがにこにこ顔ですわった。

「まあ、兵六さん夏樹につきあってくだすったの。すみませんでしたね。」

仕方なくそうはいったものの、ゆっくりとオーバーをぬいでのゆうゆうとしたすわり具合から察して、安江はふと、ある不安を感じた。兵六さんが勘ちがいをしたか、それとも安江自身の思いちがいか、とにかく、さっき桃の花でも買って――といったのを、兵六さんは聞きちがえたのだろうか。