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ざつぶんてきざつぶん

雑文的雑文

伊丹 万作

「中央公論」1934(昭和9)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,835 字 · 18 页

青空文庫

かくてある場合には「感心しない」という目的のもとにわざわざ劇場に足を運ぶというような理解し難い現象をさえ生ぜしめるにいたつたのである。

しかしこれらは我々が最も苦手とする連中に比較するときはまだ幾分愛すべき部類に属する。

我々が目して最も苦手とする連中は、かの「見ない先からすでに感心しない」紳士たちである。この手合いに対しては残念ながら我々は全く策の施しようがないのである。

もしもこの手合いに対して残された唯一の手段があるとすれば、それはいささかも彼らの意志を顧慮することなく直接行動に訴えて強制的にこれを館へ連行することであるが、この方法は法律的にも経済的にも心理学的にも障害が多くて実行が困難であり、あまつさえもしもこちらより向こうのほうが強い場合には物理学的困難にまで逢着しなければならぬ不便があるため、残念ながら我々はこの方法を放擲せざるを得ないのである。

ところが事実において今日相当の年配と教養とを一身に兼ね備えた紳士階級、すなわち我々にとつては理想的の獲物であるところの諸氏はほとんど例外なしに『中央公論』の愛読者であると同時に、我々の作る映画はこれを「見ない先にすでに感心しない」