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ゆきのふったひ
雪の降った日
小川 未明
「お話の木」1938(昭和13)年2月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,110 字 · 11 页
「どうして、こんな人が、お母さんとお話をしているのだろう。」と、年ちゃんは、不思議に考えました。女の人は、お母さんの方を見て、
「私にも、今年十四になる男の子があります。学校を出ると、すぐに奉公をさせたのですが、手紙のたびに、弟はどうしているかと、いってきます。」と、いっていました。
お母さんは、いちいちうなずきなされて、
「ほんとうに、感心ですね。それもあなたが、そうしたりっぱなお心がけだからです。きっといい子におなりですよ。」と、おっしゃいました。
「ただ、子供の大きくなるのを楽しみにしています。」
「そうですとも。」と、お母さんは、頭をば、こくりとなさった。
「おじゃまいたしました。」
「女中が帰りましたら、どんなに喜ぶことでしょうか。すぐにお礼に上がらせますから。」と、お母さんが、おっしゃると、
「いいえ、お礼なんかいるもんですか。」と、女は、そうそうにして、帰っていきました。
「お母さん、いまの人だれなの?」と、年ちゃんが聞きました。
「あの人ですか、くず屋さんです。」
「なにしにきたの。」
「このあいだ、きよが、弟に送る為替のはいった手紙を落としたといっていたでしょう。