轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せつま
雪魔
海野 十三
「東北少国民」河北新報社、1946(昭和21)年3月~9月号
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 13,355 字 · 27 页
だが一つ、そのとき気がついたことがある。
「五助ちゃん。今ごろ雪崩が起るというのはへんだね。まだ早すぎるじゃないか」
「そうなんだ」と五助はうなずいた。
「しかしさっきの銃をうったあの響で、雪崩が起ったのかもしれない」
「そんなことがあるもんかなあ」
「たまにはあるんだよ。しかし、どっちかといえば、めずらしい出来事だ」
五助の語るのを聞いていた彦太はそのとき五助の手首に赤く血がついているのを見つけて、おどろきの目をみはった。
「五助ちゃん、怪我をしているじゃないか。手から血が出ているぜ」
「えっ、手から血が出ているって……」
五助もおどろいて、急いで自分の両手を見た。なるほど手首のところに、いっぱい血がついている。
「どこから出血したのだろう。別に痛みも感じないのにねえ」
よく調べてみたが、ふしぎにも、どこにも傷口が見つからない。
「どこにも、怪我はないんだがねえ」
「でもへんだね。ちゃんと血がついているんだからね。ずいぶんたくさんの血だよ」
彦太も、ともども調べてやったが、たしかに五助はどこにも傷をうけていないことが分った。
「ふしぎだねえ。どうしたんだろう」
「全くふしぎだ。