轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せつま
雪魔
海野 十三
「東北少国民」河北新報社、1946(昭和21)年3月~9月号
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 13,355 字 · 27 页
彦太の方は割合に楽であった。五助の後からついて行けばいいのだ。五助が踏みかためてくれた、かんじきの跡を踏みはずさなければいいのだった。
彼は歩きながら、さっき五助から聞いた青髪山の魔神を見た話を頭の中に復習した。
五助は、この前の登山のとき、その魔神を森の中にたしかに見たそうである。その森は、それから二十丁も奥にある杉の森で、地蔵様が立って居られるところから地蔵の森といわれているところだ。
ちょうど行きの道だったが、五助が前方約二百メートルに、この森を見たとき、雪の中に高い幹を黒く見せている杉の木立の間を、何か青味がかったものが、煙のようにゆらいでいるのをみとめたのだった。
(誰か、あんなところで焚火をしている?)
と、始めは思ったそうだが、それにしても焚火にしてはおかしい。煙にしては色が青すぎるし、そして雪の降り積っている、下の方には見えず、杉の梢に近いところを、まるで広い帯が宙を飛んでいるように見えたので、はっと胸をつかれた。五助はあやうく声を出そうとして、ようやくそれを停めた。後には妹のお雪がついてくるので、ここでへんな声などをあげようものなら、お雪はおそろしさのあまり、気絶してしまうかもしれないと思ったからである。