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でんきばと

電気鳩

海野 十三

「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页

青空文庫

高一とミドリは、しんぱいでもあり、またおおよろこびです。これから海軍の軍人さんたちと、父親をたすけにゆくことになったのですから。駆逐艦は北の方にむきなおると全速力をだしました。

荒海の波をけたてて、ずいぶん、ながい間走りつづけて、駆逐艦はついに港につきました。

高一とミドリとは、艦長におわかれをいって、大石大尉という士官につれられて上陸しました。

上陸してみると、これは日本ではなく、朝鮮半島でありました。朝鮮半島もずっと北の方で、満州国にちかいところの、さびしい港町でありました。

「大石大尉、私たちのお父さんはどこにいるのですか」

と、高一がたずねると、大尉は顔をくもらせて、

「それがねえ、たいへんなところなのだよ」

「たいへんなところというと――」

父親がたいへんなところにいるときいて、高一とミドリはまっさおになりました。

大石大尉は金庫をあけて、中から一枚の地図をとりだし、高一とミドリの前にひろげました。

その大地図は、国ざかいふきんのくわしい図面でした。なかほどに大きな川がながれており、その川のまん中に、中の島があります。

その中の島を大石大尉はゆびさして、