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れいかん
霊感
豊島 与志雄
「中央公論」1952(昭和27)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,268 字 · 31 页
」
「そう悪いということもありませんが、どうしても微熱がとれないんですの。」
「まあせいぜいお医者さんの言うことをきいて、充分に養生なさるんですね。それが第一で、それから……そうねえ……。」
A女はしばし黙っていましたが、突然、言いました。
「その、地所内に、なにか祭ったものがある筈です。それから、大きな木を切り倒してあるはずです。御存じありませんか。」
「わたくしは聞いたことありませんけれど……。」
「そんなら、調べてごらんなさいな。」
「それからどうすれば宜しいんですの。」
「まあ急ぐことはありますまい。あとでまた申しましょう。」
地所の件についての話はそれきりになって、A女は辞し去りました。
それから中二日おいて、村尾さんは慌しくA女を訪れてきました。
座敷に通ると、村尾さんは、A女がお茶をいれようとするのももどかしそうに、いきなり言いました。
「ふしぎねえ、あなたが仰言った通りですよ。」
「いったい何のことですの。」
「そら、あの相良さんの地所のこと……。」
村尾さんはあれから、今井さんのところへ行って、A女の告げたことが本当かどうか、問いただしたのでした。