轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きりのばんしゃ
霧の蕃社
中村 地平
「文学界」1939(昭和14)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,389 字 · 57 页
また、屏東飛行場より飛行機一機をもって、現地を偵察させた。
この間兇蕃は霧社・ジセキ間の電話線を切断した。また眉渓駐在所を襲って、これを焼きはらい埔里方面に進出しようとする態勢を示した。埔里の町は海抜約千五百尺、埔里盆地の中央に在り、能高郡役所の所在地である。人口も二万数千あってその地方の要衝となっている。町には既に霧社で遭難した内地人二十一名が避難してきている。負傷して血みどろになっている者も多いのであるが、彼等の口から蕃情が伝えられるとともに、民心は忽ち大に動揺したのであった。兇蕃の来襲を防禦するために、内地人・本島人は互いに協力して直ちに自警団を組織した。また兵役に関係ある内地人は予後備を問わず銃をとり、眉渓近い第一線に防禦陣を敷いた。また同じ線のところどころには鉄条網を敷設し、電力会社の迅速なる活動によって電流を通じた。町民は戦慄し、兇蕃を憎悪する感情は渦のように町全体を覆っていたのである。
台中を出発した軍隊及び警察隊の一行は、殆んど抵抗らしいものを受けることなしに、翌日二十八日に霧社を占領することができた。直ちに厳戒の任に就くとともに、難民の発見につとめ、屍体八十六個、負傷者三百八名を収容した。