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あおいふろしきづつみ
青い風呂敷包
大倉 燁子
「キング 一三巻四号」1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,612 字 · 28 页
余り怒らせると反って損だから」と注意して、無理やりに彼女を衣裳部屋へ送り込んだ。
「一体どんな用があって、こんな忙しい時間にやって来るのさ」
吉川は黙って青い顔をしていたが、恐い眼をして初子をぐッと睨みつけ、
「百合子をどこへかくした?」
「知らないわよ、そんなこと――」
「白状しろ、百合子はどこにいるんだ?」
「知らないもの、白状もくそもあるもんか」
「なにッ」
「嚇したって驚きやしないよ。吉川さんが余りうるさく附き纏うから、百合子は厭がって、逃げッちまったんでしょ」
「そうじゃない。君がかくしたんだ、君が――」
と込み上げる口惜しさをジッと耐えながら、眼を血走らせて、
「僕達の間を割いたのは君なんだから」と言って、彼は唇を噛んだ。
「割いたんじゃなくって、あんたが嫌われたんだよ。会うのが厭だから隠れてんのさ。それが分らないのか知ら、自惚れッて恐しいもんだなあ」
吉川は突然起ち上って、灰皿を叩きつけた。
「オヤ、危ぶない!――私を女だと思ってなめるのかい? さア帰っておくれ、それだから女に嫌われるんだよ。おまけに――オホホホ」
初子は殊更に彼の顔をしげしげと見上げて吹き出した。