轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
在线阅读織田 作之助《青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,593 字 · 325 页
集金人の山谷からいつか聴いた話が心の底に執拗く根を張っていたから、そのようなことを想い泛べるだけで胸がかきむしられるのだった。
そんな風に三月続いたのだが、いきなり紀代子は豹一から離れてしまった。まるで何の先触れもなかったのである。豹一は訳が分らなかった。彼はつまらぬ顔をして、毎日そのことを考えた。が、ふと、つまりこれは紀代子のことを考えている勘定になるのではないかと、いまいましくなった。紀代子が鹿の眼のようだとうっとりしていた豹一の眼は、にわかに持ち前の険しい色を泛べ出した。(もっけの幸じゃないか)しかし、それだけでは釈然と出来ぬわけがあった。つい最近彼は紀代子と回転焼屋へ行った。いつも紀代子が勘定を払っていたが、その日に限って彼は、ふと虫の居所の関係で、(お前はこの女に施しを受ける気か?)という気になって自分で勘定を払おうとした。途端に、ズボンから銅貨が三十個ばかり三和土の上へばらばらと落ちた。二銭銅貨が二個あるほかは一銭銅貨ばかりで、白銅一つなかった。彼はみるみる赧くなった。もし落さなかったら、彼は「どや、銅貨ばっかりやろ」とわざとふざけて言って、勘定をすますところだった。