轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あおだけ
青竹
山本 周五郎
「ますらお」大陸講談社、1942(昭和17)年9月
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 14,622 字 · 29 页
忠勝はすぐにそのありさまを想像したとみえ、笑いだしながら云った、「そのほうが駆けてゆくあとから竹槍の束を担いだ小者たちがえっさえっさと駆けてゆく、敵に当るとそのほうが束の中から一本ひき抜いてやっと突っこみ、これを討ちとってまた駆けだす、小者たちも竹槍の束を担いでまたぞろ駆けだす、えっさえっさと駆けだすか、これは面白い」
忠勝の口ぶりもひょうげていたが、そのこと自体がすでに可笑しみたっぷりだったので、直政はじめ居合せた人々は思わずどっと笑いだしてしまった。けれども源七郎は笑いもせず、悪びれたようすもなく、またむろん誇りがましいところもなく黙ってひかえていた。忠勝はひじょうな機嫌でいくたびも手ずから杯をやり、ひきで物として腰の短刀をとって与えた。
そのあくる日、忠勝はしゅったつしたが、あとには思いがけぬ問題がのこされた。すなわち阿多豊後を討った功名人があらわれたことである、しかも本多忠勝という他家のひとによって実証されたのだからそのままに済ませることはできない、現に忠勝さえ短刀を与えているのである、井伊家としても当然なんとか恩賞の沙汰がなくてはならぬところだった。