轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,458 字 · 39 页
ときどき、ひどい癇癪を起して、訳なしにあんなにも大切にする黒を蹴ったりするようなこともある。山本さんの家の者は、年寄(エカシ)はこの頃少し痩せたようだね、と云うくらいのことで、別に注意もしないし、彼自身は勿論自分の神経に就て考えるような男ではない。そうしてそのまま日が経って行った。
或る夕方。久し振りで晴れ渡った空が見えるように天気の好い暮方である。
畑で、草毟(むし)りをしていたイレンカトムは、何だか、妙に頭がグラグラするような心持なので、炉辺に引込んで、煙草を烟(の)んでいた。
すると、戸口の傍で人声がする。何か小さい声で相談でもするように、ボソボソと云っている。
まだ若そうな女の声が、一言二言何か云うと、元気のあるのをようよう小声にしているような若い男の声が、それに答える。声の響きで見ると、アイヌ語を使っている。
何を喋っていることやら……
イレンカトムは、今に入口の垂れを持ちあげて訪ねて来る二人の若い者を待っていた。
待って待って、待ちくたびれるほど、待っても入って来ない。
そこで彼は自分から立ち上って、迎に出た。たぶん極りを悪がってでもいるのだろうと思ったのである。