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あめチョコのてんし

飴チョコの天使

小川 未明

「赤い鳥」1923(大正12)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,597 字 · 10 页

青空文庫

と、つえをついた、黒い頭巾をかぶった、おばあさんはいいました。

「どちらへ、お送りになるのですか。」

「東京の孫に、もちを送ってやるついでに、なにかお菓子を入れてやろうと思ってな。」と、おばあさんは答えました。

「しかし、ご隠居さん、この飴チョコは、東京からきたのです。」

「なんだっていい、こちらの志だからな。その飴チョコをおくれ。」といって、おばあさんは、飴チョコを三つとも買ってしまいました。

天使は思いがけなく、ふたたび、東京へ帰っていかれることを喜びました。

あくる日の夜は、はや、暗い貨物列車の中に揺すられて、いつかきた時分の同じ線路を、都会をさして走っていたのであります。

夜が明けて、あかるくなると、汽車は、都会の停車場に着きました。

そして、その日の昼過ぎには、小包は宛名の家へ配達されました。

「田舎から、小包がきたよ。」と、子供たちは、大きな声を出して喜び、躍り上がりました。

「なにがきたのだろうね。きっとおもちだろうよ。」と、母親は、小包の縄を解いて、箱のふたを開けました。すると、はたして、それは、田舎でついたもちでありました。その中に、三つの飴チョコがはいっていました。