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あめチョコのてんし
飴チョコの天使
小川 未明
「赤い鳥」1923(大正12)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,597 字 · 10 页
「まあ、おばあさんが、おまえたちに、わざわざ買ってくださったのだよ。」と、母親は、三人の子供に一つずつ飴チョコを分けて与えました。
「なあんだ、飴チョコか。」と、子供らは、口ではいったものの喜んで、それをば手に持って、家の外へ遊びに出ました。
まだ、寒い、早春の黄昏方でありました。往来の上では、子供らが、鬼ごっこをして遊んでいました。三人の子供らは、いつしか飴チョコを箱から出して食べたり、そばを離れずについている、白犬のポチに投げてやったりしていました。その中に、まったく箱の中が空になると、一人は空箱を溝の中に捨てました。一人は、破ってしまいました。一人は、それをポチに投げると、犬は、それをくわえて、あたりを飛びまわっていました。
空の色は、ほんとうに、青い、なつかしい色をしていました。いろいろの花が咲くには、まだ早かったけれど、梅の花は、もう香っていました。この静かな黄昏がた、三人の天使は、青い空に上ってゆきました。
その中の一人は、思い出したように、遠く都会のかなたの空をながめました。たくさんの煙突から、黒い煙が上がっていて、どれが昔、自分たちの飴チョコが製造された工場であったかよくわかりませんでした。