轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うまをころしたからす
馬を殺したからす
小川 未明
「おとぎの世界」1919(大正8)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,401 字 · 11 页
北の海の方にすんでいたかもめは、ふとして思いたって南の方へと飛んできました。途中でにぎやかな街が下の方にあるのを見ました。そこにはおほりがあって、水がなみなみと青く、あふれるばかりでありましたから、しばらくそこへ下りて暮らしました。
この街は、この国の一番の都でありまして、人々はそのほりの中にすんでいる魚を捕ることができなく、また下りている鳥を撃つことができないおきてでありましたから、かもめには、このうえなく都合がよく、暮らしいいところでありました。
ほりの中にいる魚は、それは北の海にいる魚の味とは較べものになりません。どろ臭くて骨が堅うございましたけれど、容易に捕ることができましたので、荒波の上で、仕事するように骨をおらなくてすんだのであります。
かもめは、もうずっと南の方へいくという考えは捨ててしまいました。だいいち、人間というものが、ここにいても、すこしも怖ろしくありませんので、水もそのわりあいに暖かであるし、その年の冬は、この街の中で暮らそうと考えました。
かもめは、さまざまな街のにぎやかな光景や、できごとなどを見守りました。そして、こんなおもしろいところがこの世界にあるということを、ほかの鳥らはまだ知らないだろう。